今回のカンファレンスでは、コーチングや戦術面だけでなく、現在アメリカンフットボールでは避けて通れない課題となっている頭部外傷の問題についても、リスクマネジメントの見地からご講演をいただきます。アメリカンフットボールのコーチングに関わるすべてのかたにお聞かせしたい内容です。

講師である川又達朗先生のご経歴と、ご講演内容をここにご紹介いたします。

 

スポーツとリスクマネージメント -頭部外傷の見地から-

フットボールは、10万選手人口当たり年2件の死亡事故が起こる。我々は、その予防に努めなくてはならない。選手の生命を守ると同時に、チームの生き残りを図るためには、1)何が起こりうるのか、2)事故を減らすためにはどうしたらよいのか、3)事故が起こってしまった時どう対処するのか、を明確に理解し、実践する必要がある。日本協会、各リーグ、チーム、個人には、それぞれのレベルですべきことがあり、かつそれらを実践してきたことを、第三者に対して証明できるように、日ごろから準備しておかなければならない(説明責任)。こういったリスクマネージメントは、これまでは理解が乏しかったため、ともすると医療サイドに丸投げされる傾向にあった。しかしながら医療でできることは、基本的には診断と治療であり、リスクマネージメントではない。社会的には、組織の説明責任が重要視されており、スポーツにおける潜在的なリスクに関しても、その傾向は今後ますます強くなっていくと思われる。

 

川又 達朗 様(おとわ内科・脳神経外科クリニック院長HP

1957年生 日本大学医学部卒
おとわ内科・脳神経外科クリニック院長、日本大学脳神経外科教授(非常勤)
専門は頭部外傷、脳腫瘍・頭蓋底外科
日本アメリカンフットボール協会医科学委員
日本神経外傷学会理事、日本神経外傷学会スポーツ頭部外傷委員会委員
日本臨床スポーツ医学会 評議員、学術委員会脳神経外科部会員

都立戸山高校Green HornetsにてTE、DE。同コーチを経て、現在、同チームドクター
2009年 All Japan チームドクター(ノートルダム・ジャパン・ボウル)
チームの外傷、特に脳振盪のデータの収集・分析を続けている。